最終更新: 2026年11月|当システム提携医師の監修
高血圧の薬を切らしたとき — 対処法と、途切れさせない通院

血圧の薬が今日で終わる。病院の予約は来週、仕事は休めない。「数日くらい大丈夫だろう」——多くの場合はすぐに危険ではありませんが、薬の種類によっては急にやめると血圧が跳ね上がるものがあります。切らしたときの正しい対処と、通院を途切れさせない方法をまとめました。
- 1〜2日の飲み忘れは、気づいた時点で1回分を。2回分をまとめて飲まない
- 薬が切れた状態で、血圧が180/120以上かつ頭痛・胸の痛み・息切れ・手足のしびれなどがあれば救急へ
- 一部の薬(β遮断薬など)は急な中断で動悸・血圧上昇が起きることがあり、数日でも途切れさせないほうがよい
- 再開してから効果が安定するまで数週間。家庭血圧の記録が、量を調整するときの決め手になります
- 減塩・減量・運動・節酒・禁煙は、薬の効きを助ける治療の土台です
- 継続処方の相談はオンラインで可能。お薬手帳や薬の写真があれば、自宅から再開できます
まず確認:すぐに受診が必要な状態
血圧が高いだけでなく、次の症状があれば救急へ
※ 血圧の数字が高くても症状が無ければ、多くは緊急ではありません(落ち着いて座り、5分後にもう一度測ってください)。症状の有無が分かれ目です。
薬を切らした・飲み忘れたときの対処
| 1回飲み忘れた | 数日切らしている | 1週間以上切れている | |
|---|---|---|---|
| どうする | 気づいた時点で1回分。次の服用時刻が近ければ飛ばす。2回分をまとめて飲まない | 家庭血圧を朝晩測り、早めに処方を受ける(オンライン可) | 自己判断で再開せず受診を。血圧の状態を見て、量や種類を見直すことがある |
| 血圧の目安 | 通常は大きく変わらない | 徐々に元の高さに戻っていく | 治療前の高さに戻っている可能性 |
| 注意 | — | β遮断薬など一部の薬は動悸・血圧上昇に注意 | 症状があれば救急。無症状でも放置しない |
「急にやめると危ない薬」があります
降圧薬の多くは数日途切れても血圧がゆっくり戻るだけですが、次の薬は急な中断でリバウンド(血圧の急上昇・動悸・狭心症の悪化)が起きることがあります。お薬手帳や薬の名前で確認してください。
なぜ血圧が上がるの? — 原因と、高くなりやすい人
日本人の高血圧の大部分は、はっきりした一つの原因がない「本態性高血圧(ほんたいせい)」です。生まれつきの体質に、塩分のとりすぎや体重の増加、年齢などが重なって、少しずつ血圧が高くなっていきます。一部には、ホルモンの病気や腎臓の病気、睡眠時無呼吸などが原因の高血圧(二次性高血圧)もあり、その場合は原因の病気の治療が必要です。
次のような要素が重なるほど、血圧は上がりやすくなります。薬を飲んでいても、これらが強くなると血圧が下がりにくくなります。
薬を切らさないために
薬を再開してから、血圧が落ち着くまで
降圧薬(血圧を下げる薬)の多くは、飲み始めた日から少しずつ効き、効果が安定するまでに数週間かかります。切らしていた薬を再開したときも同じです。焦らず、家庭血圧を記録しながら様子を見ます。
| 時期 | 目安 |
|---|---|
| 再開した日 | いつもの量で再開します。1週間以上空いていた場合は、医師が血圧を確認してから量を決めます。飲めなかった分をまとめて飲まない |
| 最初の1〜2週間 | 家庭血圧を朝晩測って記録します。立ちくらみ・ふらつきがあれば早めに相談を |
| 数週間後 | 記録をもとに、医師が効き具合を判断。目標に届かなければ、量や種類を調整します |
| 安定したら | 定期フォロー(オンライン可)を続けながら、血液検査・尿検査・心電図は対面で定期的に |
目標とする血圧は、年齢や持病によって変わります。目安となる数値は日本高血圧学会のガイドラインで示されており、改訂で見直されることもあります。ご自身の目標は、診察のときに医師と確認してください。
放っておくとどうなる?
薬をやめたままにしても、すぐに体調が悪くなるとは限りません。高血圧は症状がないまま進むのが特徴だからです。そのあいだも、高い血圧は血管の壁を傷め続け、動脈硬化(血管がかたく、もろくなること)を進めます。
その先にあるのが、脳卒中・心筋梗塞・心不全・腎臓病です。いずれも、ある日突然起こるように見えて、実は何年もかけて準備されています。まれに、血圧が急に大きく上がって脳や心臓に負担がかかる「高血圧緊急症」になることもあり、この場合はすぐに治療が必要です。
「数値が落ち着いているからもう大丈夫」と感じても、多くは薬で下がっている状態です。薬を減らしたい・やめたいと思ったときは、自己判断せず医師に相談してください。
血圧を上げにくくする生活習慣 — 薬と二人三脚で
生活習慣の見直しは、薬の効きを助ける「治療の土台」です。続けることで、薬の量を減らせる人もいます。
受診の目安 — 今のあなたはどこ?
「血圧の薬が切れた・切れそう」という方へ。上から順に、当てはまるかどうかを見てください。
1危険なサインはある?
- 胸の痛み
- ろれつ・片側の脱力
- 激しい頭痛
- 息切れ
- 血圧180/120以上+症状
2近いうちに主治医を受診できない?
- 予約が先
- 仕事で行けない
- 引っ越し・転院の途中
- 薬の名前なら分かる
オンライン診療でできること・できないこと
できること
- お薬手帳・薬の写真・健診結果をもとにした継続処方の相談
- 家庭血圧の記録を見ながらの治療の継続・調整
- 飲み忘れたときの対処、副作用の相談
- 定期フォロー(状態が安定している方)。お薬は配送対応の薬局も選べます
対面をご案内するケース
- 血液検査・尿検査・心電図など定期検査のタイミング
- 血圧が大きく悪化している・症状があるとき
- 薬の種類や量を大きく変える必要があると判断したとき
※ 初めてオンラインで受診する場合、国の指針により処方日数が限られる(最長7日分など)ことがあります。その場合も、次回以降は通常の日数で継続できます。
よくあるご質問
他の病院でもらっていた薬を、同じものでもらえますか?
血圧が高いのに症状がありません。薬は本当に必要ですか?
市販薬やサプリで代用できますか?
朝飲み忘れて、夜に気づきました。どうすれば?
血圧が下がったので、薬をやめてもいいですか?
家で測る血圧と病院で測る血圧、どちらを信じればいいですか?
薬を飲むと、ふらついたり立ちくらみがしたりします。
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監修について:本記事は、当システム提携医師の監修のもと作成しています。運営者については運営者情報をご覧ください。
参考文献・出典:日本高血圧学会 高血圧治療ガイドライン(家庭血圧・高血圧緊急症)/厚生労働省「オンライン診療の適切な実施に関する指針」(初診の処方日数)
免責:本記事は一般的な医学情報の提供を目的としたものであり、個別の診断・治療方針を示すものではありません。症状には個人差があります。気になる症状がある場合は、医師にご相談ください。緊急の症状がある場合は、119番または救急外来をご利用ください。