最終更新: 2026年11月|当システム提携医師の監修
熱中症 — いちばん多い発生場所は「自宅」です

連日の猛暑で、熱中症による救急搬送が急増しています。熱中症は「屋外で運動している人がなるもの」と思われがちですが、実際に最も多い発生場所は自宅(住居内)で、搬送者の6割以上が高齢者です。正しい知識が、自分と家族を守ります。
- 熱中症の発生場所で最も多いのは「自宅」。室内でも起こります
- 意識がおかしい・自力で水が飲めない場合は、ためらわず119番です
- 軽症なら「涼しい場所・体を冷やす・水分と塩分」で対処できます
- 高齢の方は暑さ・のどの渇きを感じにくく、特に注意が必要です
- 回復しても当日〜翌日は無理をしない。体調が戻るまで暑い場所での作業や運動は控えます
- 暑さに体を慣らす「暑熱順化(しょねつじゅんか)」と、暑さ指数のチェックが再発予防の基本です
まず確認:すぐに119番が必要な状態
ひとつでも当てはまれば、ためらわず救急要請を
なぜ熱中症になるの? — しくみと、なりやすい人
人の体は、汗をかいたり皮膚に血液を集めたりして、熱を外に逃がしています。ところが、気温や湿度が高い・風がない・体の水分や塩分が足りない、といった条件が重なると、熱を逃がしきれずに体温が上がり、体の中の水分と塩分のバランスも崩れます。これが熱中症です。
湿度が高い日は汗が蒸発しにくく、気温がそれほど高くなくても起こります。また、閉め切った部屋で夜を過ごすなど、屋外にいなくても、じわじわと進むことがあるのが特徴です。
熱中症の重症度 — 3段階の目安
| 🟡I度(軽症) | 🟠II度(中等症) | 🔴III度(重症) | |
|---|---|---|---|
| 主な症状 | めまい・立ちくらみ・こむら返り・大量の汗 | 頭痛・吐き気・だるさ・集中力低下 | 意識障害・けいれん・高体温 |
| 対応 | 涼しい場所で休み、水分+塩分 | 対処しても改善しなければ医療機関へ | 直ちに119番 |
| ポイント | 現場での対応で改善が見込める | 誰かが付き添い、経過を見守る | 救急隊を待つ間も体を冷やし続ける |
※ 日本救急医学会の分類をもとにした一般向けの目安です。迷ったら安全側(より重い方の対応)を選んでください。
応急処置と、回復までの流れ
熱中症かもしれないと思ったら、「冷やす・休ませる・水分と塩分をとる」を、その場ですぐに始めます。意識がはっきりしない・自分で飲めないときは、無理に飲ませず119番です。
| 時期 | 目安 |
|---|---|
| 気づいたらすぐ | エアコンの効いた部屋や日陰へ移動。衣服をゆるめ、首・わきの下・足のつけ根を保冷剤や冷たいタオルで冷やします。うちわや扇風機で風を当てるのも効果的です |
| 意識がはっきりしていれば | 自分で持って飲める状態なら、経口補水液やスポーツドリンクを少しずつ飲みます。吐き気で飲めないときは医療機関へ |
| しばらく休んでも | 症状が良くならない、または悪くなるときは、医療機関を受診します。点滴で水分と塩分を補うことがあります。ひとりにせず、必ず誰かが付き添います |
| 当日〜翌日 | 良くなったように見えても、体はまだ回復の途中です。暑い場所での作業・運動・入浴の長湯は控え、水分をとって休みます |
| 数日たっても | だるさ・頭痛・食欲不振が続く、尿の量が少ない・色が濃いときは受診してください |
放っておくとどうなる?
軽い熱中症でも、暑い場所にいつづけたり、水分をとらずに過ごしたりすると、短い時間で中等症・重症に進むことがあります。熱中症は急に悪くなることがある病気です。
重症になると、体温が高い状態が続いて、脳・腎臓・肝臓など大切な臓器がダメージを受け、意識障害やけいれんが起こります。血液が固まりにくくなるなど全身に影響が広がり、命に関わることもあります。回復したあとも、まれに後遺症が残ることがあります。「少し休めば大丈夫」と様子を見すぎず、危険なサインがあればすぐに119番してください。
今日からできる予防 — 4つの基本
繰り返さないために — 再発予防と、暑さに強い体づくり
一度熱中症になった方は、その後しばらくは体調が戻りきっていないこともあります。毎年の夏に向けて、次のことも意識してみてください。
対処の目安 — 今のあなたはどこ?
「暑い環境で体調がおかしい」という方へ。上から順に、当てはまるかどうかを見てください。
1危険なサインはある?
- 意識がおかしい
- 自力で水が飲めない
- けいれん
- 汗が出ず体が熱い
2対処しても改善しない? 心配が残る?
- 頭痛・吐き気が続く
- 回復後も体調が戻らない
- 持病があり不安
オンライン診療でできること・できないこと
できること
- 回復後に残るだるさ・食欲不振などの相談
- 持病(高血圧・糖尿病等)がある方の夏の過ごし方・薬との付き合い方の相談
- ご家族の熱中症対策・環境づくりのアドバイス
オンラインでは対応できないケース
- 意識障害・けいれん等の重い症状(直ちに119番)
- 点滴による水分・電解質の補給が必要なとき
- 症状が今まさに悪化しているとき(対面・救急へ)
熱中症の急性期は、オンライン診療の出番ではありません。迷うレベルの症状なら、対面の医療機関・救急相談(#7119、地域によっては未導入)をご利用ください。当サービスがお役に立てるのは、回復後のフォローと予防の相談です。
よくあるご質問
スポーツドリンクと経口補水液はどう違いますか?
熱中症が治った後もだるさが続きます。
血圧の薬を飲んでいますが、夏は注意が必要ですか?
子どもと高齢者、特に気をつけることは?
寝ている間にも熱中症になりますか?
水をたくさん飲めば大丈夫ですか?
熱中症になった翌日、仕事や部活に行ってもいいですか?
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監修について:本記事は、当システム提携医師の監修のもと作成しています。運営者については運営者情報をご覧ください。
参考文献・出典:総務省消防庁 熱中症情報(救急搬送状況)/環境省 熱中症予防情報サイト・熱中症環境保健マニュアル/日本救急医学会 熱中症診療ガイドライン(重症度分類)
免責:本記事は一般的な医学情報の提供を目的としたものであり、個別の診断・治療方針を示すものではありません。症状には個人差があります。気になる症状がある場合は、医師にご相談ください。緊急の症状がある場合は、119番または救急外来をご利用ください。